海外留学保険、安い保険と高い保険の違いはなに?
いろいろな海外留学保険(留学生保険)を比較してみると、保険の中身はほとんど同じなのに保険会社によって価格がだいぶ違っています。
どうして価格にこうも差があるのか、理由をいくつか考えてみた。
(1)支払いのときの事故調査・基準が厳しい
(2)必要経費が多くかかっている(人件費や事務所費とか)
主にこんなところでしょうか。
詳しく考えてみると、
(1)支払いのときの事故調査・基準が厳しい
保険に加入する側にとって、いざ病気になったときにちゃんと保険金が支払われるのかは一番重要なポイントです。
しかしそのような情報はまず知りえることは出来ませんし、もし知りえるとしたら保険会社で損害調査の仕事をしている人くらいでしょうか・・・と思ったらこんなページがありました。
「海外病院スタッフに聞いた、AIU保険会社の海外留学保険がオススメの理由」
あらかじめ言っておくと、上のページはAIU保険会社を勧めるページなのでそれを考慮したうえで読んでみましたが、たしかにいいこと書いてあります。
なるほど、海外の病院スタッフに聞くというのはいいアイデアですね。
実際に外国で病気になってキャッシュレスで治療をした場合、治療完了後に保険会社とやりとりするのは彼ら病院のスタッフですから、どこの保険会社が支払いが良くて逆にどこが支払いを渋ってるかなど仕事を通じて知っているはずです。
とても参考になった点を抜粋すると、
「ここだけの話ですが、保険会社さんによっては保険金支払いの審査が厳しいところもありました。クリニックとしてはすでにキャッシュレスで診察を行ってしまっているわけですから、審査が通らなくて保険会社から診察費が支払われない場合には患者様に連絡を取ってご自身でお支払いしてもらわなくてはならないわけです。
そうすると、患者様はもう終わったことと思っているのに、1か月以上たって請求されるのですから、よい気持ちはしませんよね。」
たしかに保険会社は正当でない保険金支払い(保険金詐欺とか)を減らさないと価格を維持できなくなりますからしっかりと事故調査をすることは絶対ですが、それが行き過ぎてしまうケースもあるのでしょうね。
料金が安いのはもちろん魅力ですが、支払い基準を厳しくすることによって安さを維持しているとしたらそれは意味がないですね。
個人的には、AIU保険やジェイアイ、HS損保のような海外旅行保険・留学保険が主力商品である保険会社は支払い対応がしっかりしている印象があります。
逆に国内大手であっても海外旅行保険にあまり力を入れていないところや安さ最優先のところは、ネットに苦情が多く投稿されているのを見かけます。
(2)必要経費が多くかかっている(人件費や事務所費、再保険費用とか)
保険会社では必要経費がどのくらいかかっているかを「事業費率」という指標で公開しています。
この事業費率が高いところは当然価格が高く、事業費率が低いところは価格を安く売り出すことができます。
この事業費率は会社が大きければ大きいほど低くなる傾向(スケールメリット)がありますので、大手のほうが安く保険を売り出しやすいことを示しています。
たとえば国内大手の東京海上日動は31%、損保ジャパンやAIUは32%に対して、中堅の損保だと36%くらいになり、コストカット努力による違いで5%くらいの価格差は出てくるであろうことが推測されます。
以下に主要保険会社の事業費率と傷害保険損害率をまとめました。
事業費率は各保険会社の決算発表資料から確認できます(2013年12月時点のデータです)。
保険会社 | 事業費率 | 傷害保険損害率 |
---|---|---|
東京海上日動 | 31.0% | 50.3% |
AIU保険会社 | 31.9% | 40.2% |
三井住友海上 | 32.4% | 53.1% |
損保ジャパン | 32.8% | 54・9% |
日新火災 | 33.6% | 57.1% |
富士火災 | 34.6% | 40.0% |
日本興亜損保 | 34.8% | 53.3% |
共栄火災 | 36.2% | 54.5% |
ジェイアイ保険 | 53.8% | 33・4% |
HS損保 | 54.5% | 23.0% |
(※ジェイアイ保険とHS損保、どうしてこんなに事業費率と損害率のバランスがおかしいのだろう。
決算による算出基準が少し違うと思われますのでこの2社だけは単純比較すべきでないかもしれません)
以上、この2点が留学保険に価格差が生じる大きな理由ではないでしょうか。
決して「安ければいい」あるいは「高ければ安心である」というものではないので、保険選びの際にはその保険会社が海外留学保険販売にどれだけ力を入れているか、HPでの案内や申込画面が加入者目線で分かりやすく作られているか、高い社内コストによって価格が必要以上に高くなっていないかなどを見て、加入する保険会社を比較検討すれば良いでしょう。
■海外留学保険・ワーホリ保険のカテゴリー
・海外留学保険はどんな保険なの?
・海外留学保険やワーホリ保険への入り方
・個人的にオススメな海外留学保険と保険会社
・海外留学保険、安い保険と高い保険の違いはなに?
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・オーストラリアへのワーキングホリデー
・上海への留学
・イギリス(スコットランド)への留学
・フィリピンへの英語留学
・韓国へのワーキングホリデー